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俳優、 渡辺謙の立ち位置。

アメリカで最高峰の演劇賞トニー賞でKen Watanabeが主演男優賞にノミネートされた。55歳の快挙である。

渡辺謙がブロードウェイミュージカル「王様と私」の本公演を間近に控え、テレビのインタビューを受けた。そこで語った言葉が印象に強く残った。

日本人として初めてブロードウェイで主演することに対して、「とにかく試すんですよね。その可能性を試す。恥かく商売だと思っているから、捨てて塗り替えて捨てて塗り替えてする、ある種の勇気を持っているやつが最後には勝っていくっていうか。」

そして、彼は更に語り続ける。「起きて、飯を食って、着替えて出て行って、リンカーンセンターに入って、そこからステージに向かって行く、この一日が僕にとってはライブなわけ。無駄なものがないって言ったら変だけど一日っていうのを積み重ねて行くしかないですよ。」

ステージの場だけでなく、自分に対して「恥かく商売」「捨てて塗り替えて捨てて」と絶えず言い聞かせ、ブロードウェイでの公演をこなすための日常の動きを全て「ライブ」と言い切る。ステージの上だけでなく、そこに至るまでの生き様の全てが自分の脚本であり、それを渡辺謙は24時間365日演じ続けている。

言い方を変えると、それは自分との対話を積み上げて行くことである。日常の生活の中で自分のシナリオを自らが演じる。日常生活そのものをストーリーとして演じ切るからこそ、脚光を浴びるステージの上で観衆に感動を与えることができる。

渡辺謙は「人に感動を」の一点に絞って自分の人生の筋書きつくり、それを演じ切っているからこそ、舞台での彼の一挙手一投足に観衆は心を動かされる。これが齢55歳で世界最高峰の演劇の場ブロードウェイで主演をはることができる渡辺謙の立ち位置である。