「"当事者意識"を伝える」クライシス・コミュニケーションの視点から(1)

小沢民主党代表の第一公設秘書が政治資金規正法違反で逮捕された。

総選挙のタイミングが取り沙汰されている中での逮捕なだけに、小沢代表の進退や民主党の動向が注目されているが、クライシス・コミュニケーションの視点から分析すると“あるべき対応の姿”がある程度、見えてくる。

ただ、実際の対応はコミュニケーションの視点以外の観点からも判断されるものなので、“絶対にこうあるべきだ”とここで主張するつもりはない。あくまでクライシス・コミュニケーションの視点からアドバイスをすれば、“こうなる”と言うことである。

そもそもクライシスが勃発すると、まず考えなければならないのが、そのクライシスにより、誰に対して“被害”を与えているかである。

被害が拡がっているのであれば、即刻、それを終息させることが急務となる。

次に原因究明である。被害の拡がりを止めたならば、今度は二度と被害が生じないように再発防止に重点が移る。そうなると原因を早く究明することが必要となる。

最後に、責任の所在を明確にすることである。原因究明の結果によって、しかるべき責任を明確にすることが今度は求められてくる。状況に応じては組織のトップの進退問題にも及ぶ。この優先順位に従ってクライシス対応のプロセスを進めていく。

さて、そのプロセスを進めていく際に、“被害者”も含めた社内外の様々なステークホルダー(利害関係者)に対して適時メッセージを発信していくことになるが、そこでのキモは、

どれだけ“当事者意識”を伝えることができるか

である。

“当事者意識”をもって全力で事にあったっているという姿勢を強く示すこと、それができたかできないかがその後のクライシス状況の進展を左右する。

“当事者意識がない”というメッセージが少しでも伝わってしまうとマスコミや世間(世論)は絶対に許さない。

今、マスコミや世間の注目は小沢代表の進退問題である。企業の場合でも商品欠陥や企業不祥事などの企業クライシスが起こった場合に は、企業トップの進退問題が必ず問題となる。そこでどのような対応をするべきかというひとつの判断尺度を提供するのもクライシス・コミュニケーションの重 要な役割である。小沢民主党代表の進退の取り方がクライシス・コミュニケーションの視点からどう評価できるのかをこれから考えていく。