有事におけるプレスリリースの役割(戦略コミュニケーションで斬る*第11回)

本来、プレスリリースは企業の商品、活動などを一般に知らしめるための方法である。

リリースをマスコミに配り、企業の商品や活動についての記事をなるべく多く書いて貰うことを主眼としている。

しかしながら、これは平時の時もの話。

有事になると状況が変わってくる。

有事は企業は責められる立場。

マスコミが企業はの責任として攻めて来る視点は以下の三つである。

  1. クライシスに対応すべく、今、何をしているのか。
  2. クライシスに対応すべく、これから何をするのか。
  3. クライシスが起こってから今までに何をして来たのか、更には、クライシスが起こる前に、それを未然に防ぐために何をして来たのか。

この3つの項目でマスコミは攻めて来る。

難関は3である。すでに過去のこと。これから見繕うことできない。

企業への批判、3がだいたい震源地。

よって、平時の時からアリバイ工作が必要。

クライシスが起こったあとでも、しかるべき対応をしていると云う証拠をプレスリリースという形で残すこと大変重要。

時には十年前ににまで遡ってマスコミは攻撃して来る。

アリバイ工作にプレスリリース重要。

*「戦略コミュニケーションで斬る」。このシリーズでは、様々な時事的な事象を捉えて、戦略コミュニケーションの視点から分析、戦略コミュニケーションの発想から世の中を見ていきます。

~~~~~~~~~~~~~~~筆者経歴~~~~~~~~~~~~~~~~~

田中 慎一
フライシュマン・ヒラード・ジャパン 代表取締役社長

1978年、本田技研工業入社。
83年よりワシントンDCに駐在、米国における政府議会対策、マスコミ対策を担当。1994年~97年にかけ、セガ・エンタープライズの海外事業展開を担当。1997年にフライシュマン・ヒラードに参画し日本オフィスを立ち上げ、代表取締役に就任。日本の戦略コミュニケーション・コンサルタントの第一人者。近著に「オバマ戦略のカラクリ」「破壊者の流儀 不確かな社会を生き抜く”したたかさ”を学ぶ 」(共にアスキー新書)がある。

☆twitterアカウント:@ShinTanaka