新年の挨拶 「1人ひとりが輝く」

明けましておめでとうございます。昨年は戦略コミュニケーションブログを愛読いただき、誠にありがとうございました。今回は年頭に私が弊社スタッフに対して伝えた“新年の挨拶”をご紹介させていただきます。

本年も戦略コミュニケーションブログおよび、フライシュマン・ヒラード・ジャパンを宜しくお願いいたします。

明けましておめでとうございます。

今年はウサギ年です。ホップ・ステップ・ジャンプということで飛躍が期待できる年です。過去40年間の日本の株式市場の統計を見るとウサギ年のときは株価上昇率が平均して25%とダントツで伸びているそうです。

FH日本は昨年30パーセント以上の成長を達成、利益率も大きく改善しましたが、今年は更なる飛躍の年にしたいと思います。そのために、今年を通じて皆さんにお願いしたいことがあります。

1.まず、一人ひとりが仕事の場で輝くことを心がけてほしいということです。

自分の古巣であるホンダの創業者本田宗一郎さんが口癖のように言っていたことがあります。「会社のために働くな!自分のために働け!」ということです。会社は様々な機会を与えてくれる場である、その会社という場を利用して自らをしっかりと磨けということです。

自分を絶えず磨くことによって仕事をしっかりとこなし、自らが輝いていく。そして結果として、したたかに人生を生きることにつながるということを本田さんは四六時中、周りに言い聞かせていました。

一人ひとりが輝くことで、会社全体も輝き始めます。会社が輝くとは、一言で言うと“成長”することです。Revenueの増大など量的成長だけでなく質的な成長も重要です。より優れた人材が集まる、より付加価値の高いサービスを提供する、より強い信頼関係をクライアントと築ける、より高く世間から評価されるなどの質的な成長は我々一人ひとりに成長の機会を与えてくれます。

一人ひとりが輝くと会社が輝く、会社が輝くと一人ひとりが更に輝くという好循環が生まれます。FHがこの30年間、この好循環によって量的にも質的にもグローバルに大きく成長してきました。特に質的成長のひとつの指標は利益率です。優れた人材がどれだけ集まったか、付加価値の高いサービスをどれだけ提供できたか、強い信頼関係をどれだけクライアントと築けたか、世間からどれだけ高く評価されたかなどの質的な成長は基本的には利益率という形で還元されます。

この観点から今年は“Profitable Growth”という方向性をより強く打ち出していきます。“Profitable Growth”の実現が我々一人ひとりに成長の機会を与え、輝かせてくれるものであるという認識を持ってほしいと思います。

2.これから量的・質的成長を追求する上で日本がもっている強みを認識することが重要です。昨年のオールスタッフ・ミーテイングでも話しましたが、コミュニケーションの市場として日本には3つの強みがあります。

① マーケット・サイズが大きい。アメリカ、中国、と並ぶ世界有数の市場です。

② マーケットの質も高い。規模だけではなく、付加価値の高いコミュニケーション・サービスのニーズがあります。結果として多様なコミュニケーション・サービスを開発できる環境にあります。このような質的に高いマーケットはグローバルにもそれほど存在しません。

③ グローバルに展開できる数多くの日本企業が存在します。その数はアメリカに次いで、ダントツ2位です。これからまさに日本企業のグローバル化の波が起こる中でグローバル・コミュニケーションのニーズは高まります。

3.これらの日本の強みを活かし、我々一人ひとりが、そしてFleishman Hillard日本グループ全体が次なる飛躍をするために、皆さんには3つの基本的な事柄を心掛けてほしいと思います。

① 効率を上げる。一生懸命やっているだけではダメです。日々の仕事の中で効率を追求する姿勢が重要です。効率的にことを成す能力は、コミュニケーションのプロフェッショナルとして習得すべき基本項目です。

② 効果を高める。効果のない効率は無意味です。いくら効率を上げても、効果が出ない仕事のやり方はダメです。効果・効率を追求する姿勢を徹底してください。

③ グローバルの視点をもつ。これからはグローバル視点なくしては大きく飛躍できません。海外企業の仕事を日本で実施する際にはトータルなコミュニケーション・サービスを提供しようという視点をもつ、日本で実績をつくった付加価値の高いサービスをグローバルに展開するという視点をもつ、日本企業のグローバル・コミュニケーションを担うという視点をもつ、などすべてをグローバルな視点から考える意欲をもってほしいと思います。

これら3つの事柄は基本的なことですが、だからこそそれを心掛けることが次なる飛躍につなげるために重要です。今年も皆で頑張りましょう。

~~~~~~~~~~~~~~~筆者経歴~~~~~~~~~~~~~~~~~

田中 慎一
フライシュマン・ヒラード・ジャパン 代表取締役社長

1978年、本田技研工業入社。
83年よりワシントンDCに駐在、米国における政府議会対策、マスコミ対策を担当。1994年~97年にかけ、セガ・エンタープライズの海外事業展開を担当。1997年にフライシュマン・ヒラードに参画し日本オフィスを立ち上げ、代表取締役に就任。日本の戦略コミュニケーション・コンサルタントの第一人者。近著に「オバマ戦略のカラクリ」「破壊者の流儀 不確かな社会を生き抜く”したたかさ”を学ぶ 」(共にアスキー新書)がある。