麻生首相の2つの演説(2)“いよいよ7.21解散”
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解散記者会見での麻生演説を検証する。
背景は”赤い”カーテンである。4年前の郵政解散での小泉総理の記者会見を意識している。また、今回の選挙を「安心生活実現選挙」とわざわざ命名する。これも4年前に小泉総理が「今回は郵政民営化選挙」と言い切った姿を彷彿させる。
小泉流演説を意識することは自由だが、”意識している”ということが国民に伝わってしまうことはリーダーとしてのメッセージ性を考えるとマイナスである。
リーダーのメッセージ性を高める重要な要素の一つが独自性である。
”意識している”とは”真似ている”ということである。それ自体がリーダーシップ欠如という印象を与えてしまう。”2番煎じ”には人々は共感しない。郵政解散記者会見で小泉さんが示したあの強烈なメッセージ性は、その独自性にある。今まで誰もがやったことのないことを小泉総理はやり遂げた。
ここに人々の意識を動かすカラクリの一つがある。独自性=サプライズとも言える。小泉流コミュニケーションの本質はまさに”サプライズ”である。
麻生総理が小泉流を意識していたにも関わらず、演説の内容は、小泉演説とは”真逆”であった。
麻生演説の3要素は謝罪、実績、批判から成る。一方、小泉演説の3要素は「謝罪ではなく、国民への問いかけ」、「実績ではなく、これから何をするか(郵政民営化)」、「民主党への批判ではなく、国民の敵(抵抗勢力)と戦う意志」である。
選挙コミュニケーションの基本は”過去に対する説明”ではなく、”将来に対する意志”である。謝罪も、実績も、批判も、基本的には”過去完了”である。国民の気持ちをとらえることはできない。
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