"クライシス対応”は世界の常識、"ぶら下がり会見”は世界の非常識(戦略コミュニケーションで斬る*第8回)

今回のブログも、今までの震災、原発事故がらみのツイートでは語り尽くせなかったものを書き込んで行きたいと思います。

@shintanaka 3月26日 8:45のツイートみずほ銀行、三日遅れの記者会見。震災や原発で影に隠れるも、これも国民的クライシス。会見でのトップの発言、姿勢、情けなくなる。クライシス対応はトップの専権事項。人頭指揮の覚悟と姿勢を示すのが世界の常識。日本では副社長など次席に任せ、自ら「出張る」意識希薄。

トヨタのリコールの問題でも、初めの6ヶ月、トップの姿はなかった。

豊田社長が陣頭指揮を取り始めてやっと、トヨタ、リコール問題で反転攻勢、終息の方向に動きが始めた。

トヨタでさえもトップのクライシスに対する意識が希薄であった。他の日本企業などは推しって知るべしである。

トヨタのリコール問題は、日本に対して大きな警鐘を鳴らした。

クライシス対応はトップの専権事項。これ世界の常識。

東電、みずほ銀行のトップの姿はを見るにつけ、学習能力の無さに憤慨。

@shintanaka 3月26日 9:01のツイート

菅首相、震災後、ぶら下がり拒否とマスコミが批判。この意識が日本をダメにする。一日に一回、マスコミに晒し、国家元首を安売りしている国など何処にもない。国のレピュテーションに関わる問題。必要に応じて正々堂々と完全公開記者会見を開けば十分。日本のコミュニケーションの品格が問われる。

日本程、元首に尊厳を持たせない国も珍しい。

問題はこれは、日本人の意識の問題ではなく、仕組みの問題。よい例が、首相官邸のぶら下がり会見。首相の発言を安売りしているようなもの。

たちが悪いのは、ぶら下がりによって、首相の失言がどんどん製造され、それを報道することがマスコミの仕事であるという思い込みができていることである。

失言をする方が悪いというが、しっかりと首相に準備させないような、ぶら下がりの仕組みは一国の元首を”いびる”ためのものとしか思えない。

*「戦略コミュニケーションで斬る」。このシリーズでは、様々な時事的な事象を捉えて、戦略コミュニケーションの視点から分析、戦略コミュニケーションの発想から世の中を見ていきます。(前回の「戦略コミュニケーションで斬る」はこちらから)

~~~~~~~~~~~~~~筆者経歴~~~~~~~~~~~~~~~~

田中 慎一
フライシュマン・ヒラード・ジャパン 代表取締役社長

1978年、本田技研工業入社。
83年よりワシントンDCに駐在、米国における政府議会対策、マスコミ対策を担当。1994年~97年にかけ、セガ・エンタープライズの海外事業展開を担当。1997年にフライシュマン・ヒラードに参画し日本オフィスを立ち上げ、代表取締役に就任。日本の戦略コミュニケーション・コンサルタントの第一人者。近著に「オバマ戦略のカラクリ」「破壊者の流儀 不確かな社会を生き抜く”したたかさ”を学ぶ 」(共にアスキー新書)がある。

☆twitterアカウント:@ShinTanaka