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Month: October 2010

  • 中国のレピュテーション・マネジメントを問う ~“したたかさ”を失った中国の戦略コミュニケーション~

    そもそもメッセージには攻撃用メッセージと迎撃用メッセージがある。攻撃用は直接相手に打ち込むメッセージである。迎撃用とは、相手がメッセージを出すことを事前に察知、こちらから先に発信することによって相手の発信を封じるものである。仮に相手が発信してしまっても、そのメッセージの力の作用を中和してしまうようなメッセージを発信するのもこの迎撃タイプである。 尖閣諸島問題において中国が繰り出したメッセージはすべて日本への攻撃用メッセージである。当然ながら日本国内の国民感情の反発という反作用が効いてくる。中国にとっては、この反作用は想定内であり、さして問題ではない。...

  • 中国のレピュテーション・マネジメントを問う ~自らのメッセージの反作用で一撃を喰らう~

    外交はメッセージというミサイルを使った戦争のようなものである。尖閣問題はまさに日本vs中国のコミュニケーション戦争である。 ドイツの兵学家クラウゼビッツは、その「戦争論」で「戦争とは、敵を強制してわれわれの意志を遂行させるために用いられる暴力行為である」と定義している。武力という物理的手段によって敵にこちらの意志を押しつけることが目的であると説く。であれば差し詰め外交とは、武力という物理的手段は使わないが、メッセージというコミュニケーション手段によって相手国にこちらの意志を押しつけるものと見ることができる。...

  • 中国のレピュテーション・マネジメントを問う ~日本が学べる教訓~

    戦略コミュニケーションの視点から見た尖閣諸島問題における勝敗は中国の敗北であった。しかしながら、日本が勝利したかというと“微妙”である。ある意味、国際世論という“神風”が吹いて、辛うじて“勝利”したといったところである。 それに比べ、中国は手痛い敗北を帰してしまった。世界における中国のレピュテーションの毀損は甚だしく、中国にとっては甚大な被害である。中国は戦略コミュニケーション上、次の手が打てなくなった。...