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Year: 2010

  • “したたかな”コミュニケーション

    企業の対話力 今、企業の対話力が注目されています。企業の対話力の是非が事業の成否に大きく影響するからです。企業の対話力とは何なのかを皆さんと一緒に考えていきたいという思いを今回、セミナーという形で実現させて頂きました。今後は、このようなセミナーを定期的に行い、企業の対話力というものを多くの方々と一緒に考えたいと思っています。 始めるにあたって、私の方から少し今回のセミナーの基本的な考え方について述べさせていただきたいと思います。...

  • 日本に求められる“したたかな”(強かな)コミュニケーション、戦略コミュニケーションの発想(1)

    10月25日―27日と香港でフライシュマン・ヒラードのアジア・パシフィック会議が行われた。36人のアジア・パシフィック(アメリカを含む)の代表が集まった。ヨーロッパからの参加もあった。この会議は定期的に行われており、意見交換の場になっている。 関心はやはり中国。とくに尖閣諸島の問題が結構クローズアップされた。36人とも各国を代表する戦略コミュニケーションの“プロ”達である。彼らが異口同音に言ったことは尖閣諸島の問題では「日本はうまくやったね」ということである。...

  • 中国のレピュテーション・マネジメントを問う ~日本に神風が吹いた!~

    ところで日本側はどうであったか。“神風”が吹いた。「日本は弱い」、「日本はダメだ」、「日本はもっとしっかりとしろ」という印象を、特に日本国民に与えたのは事実だが“実害はない”。 一方、中国には“実害があった”。世界から“嫌われた”ことである。その結果、世界中で中国に対する風あたりが強烈なほど強くなり、中国の資源外交や中国企業の世界進出に大きな支障をきたし始めた。...

  • 「SRM®2010 ソーシャルウェブ時代の最新レピュテーション・マネージメント事情」 セミナーのご案内

    この度、フライシュマン・ヒラード・ジャパン株式会社は、来る11月16日(火)に「SRM®2010 ソーシャルウェブ時代の最新レピュテーション・マネージメント事情」を開催いたします。 ソーシャルウェブの台頭により情報量の氾濫が益々加速する中、企業の一方向的な広報/広告宣伝活動の効果は日に日に低下しています。一方で、企業を支える顧客、社員、株主、取引先、事業パートナー、行政当局、政治など様々なステークホルダー(利害関係者・利害共有者)に対する求心力の醸成と安定した関係性の構築が、企業の事業戦略実現のための鍵となっています。...

  • 中国のレピュテーション・マネジメントを問う ~“したたかさ”を失った中国の戦略コミュニケーション~

    そもそもメッセージには攻撃用メッセージと迎撃用メッセージがある。攻撃用は直接相手に打ち込むメッセージである。迎撃用とは、相手がメッセージを出すことを事前に察知、こちらから先に発信することによって相手の発信を封じるものである。仮に相手が発信してしまっても、そのメッセージの力の作用を中和してしまうようなメッセージを発信するのもこの迎撃タイプである。 尖閣諸島問題において中国が繰り出したメッセージはすべて日本への攻撃用メッセージである。当然ながら日本国内の国民感情の反発という反作用が効いてくる。中国にとっては、この反作用は想定内であり、さして問題ではない。...

  • 中国のレピュテーション・マネジメントを問う ~自らのメッセージの反作用で一撃を喰らう~

    外交はメッセージというミサイルを使った戦争のようなものである。尖閣問題はまさに日本vs中国のコミュニケーション戦争である。 ドイツの兵学家クラウゼビッツは、その「戦争論」で「戦争とは、敵を強制してわれわれの意志を遂行させるために用いられる暴力行為である」と定義している。武力という物理的手段によって敵にこちらの意志を押しつけることが目的であると説く。であれば差し詰め外交とは、武力という物理的手段は使わないが、メッセージというコミュニケーション手段によって相手国にこちらの意志を押しつけるものと見ることができる。...

  • 中国のレピュテーション・マネジメントを問う ~日本が学べる教訓~

    戦略コミュニケーションの視点から見た尖閣諸島問題における勝敗は中国の敗北であった。しかしながら、日本が勝利したかというと“微妙”である。ある意味、国際世論という“神風”が吹いて、辛うじて“勝利”したといったところである。 それに比べ、中国は手痛い敗北を帰してしまった。世界における中国のレピュテーションの毀損は甚だしく、中国にとっては甚大な被害である。中国は戦略コミュニケーション上、次の手が打てなくなった。...

  • “独立自尊の精神”が強い立ち位置をつくる ~視点を流動化できるかが要~

    福沢諭吉曰く。 「広く日本の世事に就て之を視察するに、道徳に凝る者あり、才智に凝る者あり、 政治に凝る者あり、宗旨に凝る者あり、教育に凝る者あり、商売に凝る者ありて、 其凝り固まるの極度に至りては、他の運動を許さずして自身も亦自由ならず」 福沢諭吉はどうもこの「凝る者」を嫌ったようだ。...

  • 自分をポジショニング(POSITIONING)する ~もう一つの要、分限を知る~

    一方で福沢諭吉は“分限を知る”ことの重要さも強調する。 「学問をするには分限を知ること肝要なり。人の天然生れ附き、繋がれず縛られず、一人前の男は男、一人前の女は女にて、自由自在なる者なれども、ただ自由自在とのみ唱えて分限を知らざれば我儘放蕩に陥ること多し。即ちその分限とは、天の道理に基づき人の情に従い、他人の妨げをなさずして我一身の自由を達することなり。」 自分のポジショニングをするにしても、“分限を知る”ことが肝要だと福沢諭吉は主張する。“分限を知る”とはコミュニケーション流に解釈すると“人の妨げにならないように空気を読む!”ということである。“人の妨げにならない”とは一言で言うと“人の反発を招くな!”ということか。...

  • 自分をポジショニング(POSITIONING)する ~その要は、どこで貢献できるか~

    「学問のすすめ」は、近代社会の中で生きていく上で“自分をどうポジショニングするか”を説いた書であるとも言える。 ポジショニングという言葉はもともとマーケテイングの用語で、「自社の製品やサービスを他社の製品やサービスと差別化するための、市場での戦略的な位置づけ」であり、その目的は、その商品やサービスを他の製品やサービスに先んじて顧客に選んでもらうことである。よって“自分をポジショニングする”とは、「自分を他人と差別化するための、仕事や生活の場での戦略的な位置づけ」ということになる。そして“戦略的な位置づけ”の結果、自分を他人に先んじて選んでもらうということである。職場であれば、重要プロジェクトなどのメンバーや重要ポストなどに選ばれるということである。...