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Month: February 2011

  • ロビイングの本質を実感する(前編)(戦略コミュニケーションの温故知新* 第6回)

    ワシントンに赴任してから数ヶ月間は飯塚所長に連れられていろいろな人に会った。トヨタ、日産、日本自動車工業会、大使館などワシントン在住の関係者、米国の議員、政府関係者、などである。 ロビイング (Lobbying)というからには、さぞかし水面下の裏話でもするのかと思いきや表面的な情報交換で終始する。ワシントンの高級ホテルで暗躍するロビイストのイメージを持っていただけに当てが外れた。...

  • “覚悟”を伝えるための方程式と3つの行動(後編)(戦略コミュニケーションで斬る*第5回)

    (前回からのつづき) 下手な弁解や主張をすれば、“逃げている”という印象を与え、世論の批判はさらに加速度を増して企業を追っかけてくる。 企業トップが、そして企業全体がその覚悟をどれだけ“行動”で示せるかがクライシスを乗り切るための要である。それには基本的に3つの“行動”が求められる。...

  • ホンダ、ワシントンDC事務所での葛藤(戦略コミュニケーションの温故知新* 第5回)

    1983年10月にホンダの米国ワシントンDC事務所に赴任した。当時のワシントン事務所の陣容は6人。 日本人の所長1名、米国人のマネージャー1名、米国人アシスタント・マネージャー1名、そして米国人スタッフ3名、合計6名である。そこに自分が加わり、7名体制となる。 国籍でいうと日本人2名、米国人5名であるが、男女比で見ると、日本人以外はすべて女性である。...

  • “覚悟”を伝えるための方程式と3つの行動(前編)(戦略コミュニケーションで斬る*第4回)

    今の日本の政治的混乱は政策の問題というよりも国民とのコミュニケーションの問題により起因している。 国民の空気が読めない日本の政治の問題である。結果として国民の政治に対する被害者意識を生み出し、国民が政治に対して聞く耳を持たなくなってしまった。 国民の被害者意識を払しょくし、当時者意識を醸成しないと日本の政治の半身不随の状況はつづく。空前の財政危機、社会保障制度の崩壊、経済活力の停滞などの大きな課題を乗り越えるためにはどうしても国民の当時者意識を醸成することが必要不可欠である。国民の被害者意識を払しょくするには政治の覚悟を示すしかない。...

  • 相手の関心をぶれさせずに対話し続けるコツ(戦略コミュニケーションの温故知新* 第4回)

    英語は“慣れ”が重要である。英語で対話する力は“慣れ”の関数である。 慣れれば慣れる程に英語の対話力は上がってくる。対話は覚えている語彙数よりも慣れの度合いのほうが重要だ。 1983年の10月ワシントンに着任する前に、手続きをするため、ロサンゼルスにある米国ホンダ本社にまずは立ち寄った。そこで数泊し、ワシントン入りを準備する。...

  • 支持率の呪縛にあっている日本の政治 (戦略コミュニケーションで斬る* 第3回)

    鳥インフルエンザーが宮崎県で猛威をふるっているが、政治の世界では支持率インフルエンザーが猛威をふるっている。 どうもこの10年ほどで支持率=民意という構図をもった病原体が日本の政治の中で増殖している嫌いがある。これが日本の政治の混乱の一つの原因になっている。 この病原体の発生のきっかけをつくったのは小泉純一郎首相である。小泉首相は世論の力学を巧妙に使いきった日本で初めての総理大臣である。...

  • 千原ジュニアから学ぶ“ネタ探しの極意”(フライシュマンヒラード 朝喝(アサカツ)* 第3回)

    今日は、日常生活においてコミュニケーションの視点からものを見るという癖をつけることが大事だという話をします。 2009年に一ツ橋大学の学園祭に呼ばれ、ロンブーの敦さんと対談する機会があり、その時以来、吉本芸人のコミュニケーションの手法に注目してきました。 週末にジャニーズの嵐の番組で千原ジュニアが出演、話し方の講座をやっていました。その中で、印象的だったのが、話し方を鍛えるために、千原ジュニアが日常心掛けていることです。彼は自分が見たこと、聞いたこと、経験したことなどの中からお笑いのネタを見つけ、すぐ人に話すことを実践しているそうです。...

  • 企業のグローバルな広報活動に求められる事(コミュニケーション百景* 第2回)

    茶道の面白いところは、客は一方的にもてなされる訳ではない。 (前回はこちらから) もてなされる側にも作法がある。亭主側にはもてなす作法が、客側にはもてなされる作法がある。茶道は「動きの芸術作品」と表現したが、もてなす亭主、もてなされる客、お互いにそれぞれ作法を通じて動きをシンクロさせながら数時間に及ぶひとつのパフォーマンスをつくっていくのが初釜の茶会である。...

  • 米大統領スピーチライターに学ぶ非言語コミュニケーション(戦略コミュニケーションの温故知新* 第3回)

    (前回はこちらから) アメリカでコミュニケーションの仕事に携わることとなったが、やはり英語力が問われる。 帰国子女の範疇には入るが、小学校の時代のことである。しかもアメリカとかイギリスなど英語の本場ではなく、英国自治領アフリカのローデシアの英語を身につけた。しかも帰国後、英語を使う場に恵まれず、英語と言えば基本的には受験勉強である。大学生になってから交換留学などを通じて英語力の回復を図ったが、発音はともかく会話する感覚がなかなか戻ってこない。...