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Year: 2011

  • 飲み会の企画に学ぶ戦略コミュニケーションの要=○○力(コミュニケーション百景 第13回)

    戦略コミュニケーションの要となるのは想像力である。 戦略コミュニケーションの視点から考える想像力には二種類ある。 想定したことを実現するために想像する。これ平時の想像力。 一週間後に会社の飲み会をやること想定、そこで何が起こるかイメージする。 場所は六本木、洒落たバーカウンターがある、飲みものはワイン、飲み放題、食べ物は洋風で軽く、立食で行く、などなどイメージ化。 このイメージされた事を実現するにはどうする。...

  • 福沢諭吉「独立自尊」の精神に学ぶコミュニケーション(コミュニケーション百景 第12回)

    (からの続き)「学問のすすめ」の中で福沢諭吉は「惑溺」した精神を粉砕するために「実学」を通じてより「強靭な主体的精神」を形成し、近代社会の「関係性のジャングル」を生き抜くことの必要性を説く。 「強靭な主体的精神」を形成するとは目前の課題を乗り越えるための価値判断を不断に流動する心構えを持つことであると考える。 言い換えれば「自ら自己の視点を流動化する」力をもつということである。...

  • 福沢諭吉"12の「ますます」"に学ぶコミュニケーション(コミュニケーション百景 第11回)

    (からの続き)著作「民情一新」において福沢諭吉は語る。 「西洋諸国の文明開化は徳教にもあらず、文学にもあらず、又理論にも在らざるなり。 然らば則ち何処に求めて可ならん。余を以って之を見れば其れ人民交通の便に在りと 云はざるを得ず。」(民情一新) 福沢諭吉は近代社会においては精神的、物質的にも未曾有の緊密な相互依存関係が出現、社会の不特定多数との複層的な「関係性」の形成が物質的豊かさを実現、文明の進歩を加速化することを洞察していた。...

  • 福沢諭吉「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」に学ぶコミュニケーション(コミュニケーション百景 第10回)

    「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」 福沢諭吉の「学問のすすめ」の有名な冒頭の一節である。 この一節は単に人間すべて平等ということを謳っている訳ではない。 文明の進化、もっと端的に言うと文明の進化を支える物質的豊かさを実現する新しい「関係性」のあり方について言及したものである。...

  • グローバル化するコミュニケーション(後編)(コミュニケーション百景 第9回)

    (からの続き)日本的なコミュニケーションは、プロレスのように、見える部分と見えない部分の微妙なバランスの上で成り立っている。 コミュニケーションのグローバル化は「公」(Public)の世界での戦いである。 グローバルという異文化世界が錯綜するところでは、オモテの世界での勝敗しか認められない。...

  • グローバル化するコミュニケーション(前編)(コミュニケーション百景 第8回)

    グローバル化が加速する中で、日本のコミュニケーションのあり方が大きく変わろうとしている。 コミュニケーションの黒船来襲である。 従来の日本のコミュニケーションのあり方は、「波風を立てない」ということがその根底にある。 これは「ホンネとタテマエ」という日本独特の思考プロセスに起因している。...

  • 日本のコミュニケーションは、どこが違うのか(コミュニケーション百景* 第7回)

    今回のブログは、今までのツイートの中からコミュニケーションに関するものについて、語り尽くせなかったものを書き込んで行きたいと思います。 @shintanaka 3月11日 8:19 のツイート 日本のグローバル戦略は未だ現地最適が基本。現地日本人駐在者による関東軍方式。これからは現地最適とグローバル最適を分けること肝要。ヒト・カネ・コミュニケーションはグローバル最適。特にネットの時代、コミュニケーションのグローバル最適は必須。本社のグローバル広報機能強化は不可欠。 ‎80年代、「米国ホンダ」という関東軍のメンバーだった。日本に何がわかる!アメリカのことはアメリカで仕切る!と当時は息巻いていった。本社無視の姿勢。当時はネットがなかった。コミュニケーション上の問題が発生した場合、アメリカだけで完結できた。...

  • 信長と銭2(コミュニケーション百景* 第6回)

    (からの続き)通常、「銭」は戦場の旗印に似つかわしくない。 当時はカネより兵力、武力で合戦に勝つという考え方が基本であったし、武田信玄の「風林火山」の馬印、あるいは徳川家康の「厭離穢土 欣求浄土」の軍旗に見られるように、旗印や馬印はその軍団の哲学、信仰などを表すのが一般的であった。...

  • 信長と銭1(コミュニケーション百景* 第5回)

    信長と「銭」- この一見奇異な組み合わせは、信長を知る上で欠かせないキーワードのひとつである。 信長こそが、あるいは信長だけが、並居る戦国大名の中でただ一人「銭」に目をつけ、経済至上主義の時代の到来を予想しそれをいち早く人々に知らしめた。 それによって、天下布武への階段を誰よりも速く駆け上がる事ができたのであるが、実は我々現代人にとっても、このキーワードは極めて大きな意味を持つのである。...

  • ロビイング、熾烈な情報戦(後篇)(戦略コミュニケーションの温故知新* 第11回)

    (前回からの続き) 更にアメリカ勢は自主規制の枠そのものを引き下げるべく強力にロビイング活動を展開してきた。 この様な事態の中、従来の情報収集中心のワシントンの活動を見直す必要が出てきた。 一方、現地生産でかなり先行していたホンダにとっては別の課題が浮上してきた。 車を輸入、アメリカの市場で販売するだけの事業であれば、基本的にステークホルダー(利害関係)はユーザーと販売店である。...